マンション買取のデメリットとは?通常の仲介との違いや業者選びのポイントを解説

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「マンションを売りたいけれど、買取と仲介のどちらを選ぶべきか迷っている」という方も多いのではないでしょうか。

 

買取はスピーディーで手間が少ない一方で、価格面で注意したいポイントがあります。
一方の仲介は時間がかかるものの、条件次第では高く売却できる可能性もあるなど、どちらにも特徴があります。

 

本記事では、買取と仲介それぞれの違いを踏まえたうえで、
・マンション買取のデメリット
・買取に向いている物件の傾向
・後悔しないための業者選びのポイント
についてわかりやすく解説します。

 

「手間をかけずに早く売りたい」「できるだけ高く売りたい」など、状況によって最適な売却方法は異なります。
本記事が、あなたに合った売却方法を考える際のヒントになれば幸いです。

 

マンションの買取と仲介の違い、そして買取向き物件の特徴

はじめに、マンションの売却方法としてよく比較される「買取と仲介の違い」を整理し、そのうえで買取に向いている物件の特徴 をお伝えします。

 

マンションの買取と仲介の違い

マンションを「買取」という形で売却する場合は、不動産会社が買主となって直接購入してくれる仕組みを利用します。
売却相手が一般の個人ではなく不動産会社になるため、手続きがスピーディーで進みやすい点が特徴です。

 

一方で「仲介」で売却する場合は、不動産仲介会社に販売活動を依頼し、市場でマイホームを探している一般の買主(例外もありますが)に売却する流れになります。
内覧対応や価格交渉などを経て買主を見つけるため、時間はかかりますが、市場価格で売却できる可能性が高くなります。
両者の大きな違いは、やはり「誰に売るのか(買主が誰か)」という点です。

 

・買取の場合:買主は買取を行う不動産会社
・仲介の場合:買主は自分の住まいを探している一般の個人

 

これによって、売却までのスピードや価格、手続きの負担が大きく変わってきます。

関連記事はこちら
▶︎住まなくなったマンションは売却か賃貸かどっちがお得?メリット・デメリットと判断基準を解説
▶︎不動産売却の「仲介」と「買取」の違いを解説!あなたに合った方法もアドバイスします

 

買取向き物件の特徴

マンションの中には、仲介よりも買取のほうがスムーズに売却できるケースがあります。
ここでは、一般的に買取に向いているといわれる物件の特徴をご紹介します。

 

築年数が古いマンション

築年数が古いマンションは、どうしても人気が出にくく、買取が向いているケースが多くみられます。

 

古い物件の場合、
・間取りや設計が現代のライフスタイルに合っていない
・設備が古く、故障リスクがある
・修繕の見通しが立ちにくい
といった理由から、一般の購入希望者に敬遠されがちです。

 

特に、旧耐震基準(1981年5月31日以前の建築確認)のマンションは、耐震性への不安から購入者が減りやすい傾向があります。
こうした物件は一般的な仲介でたとえ時間をかけても売れにくいため、専門業者による買取が有効な選択肢となります。

 

売り急ぎの必要があるマンション

離婚・相続・転勤など、売却時期に制限がある場合は、買取のスピード感が強みになります。
仲介では「いつ売れるか分からない」というデメリットがありますが、買取であれば1カ月前後で売却が完了することが一般的です。

 

期限が決まっている場合は、タイムロスを避けるためにも買取が向いているといえます。

 

訳あり物件など、不利な条件を抱えるマンション

過去に事件・事故・自殺などがあった訳あり物件は、一般の買主から敬遠される傾向が非常に強い物件です。
そのため、仲介では問い合わせも少なく、長期間売れ残るケースが多くみられます。

 

一方、買取であれば 専門業者が状況を理解したうえで購入してくれるため、売却できる可能性が高まります。

 

相続したマンション(残置物があってもそのまま売却可能)

相続したマンションには、家具・家電・私物などの“残置物”が多く残っていることがあります。

 

通常の仲介では片付けや処分が必要です。自分で行うのは手間ですし、業者に頼めばそれなりの費用がかかります。

買取サービスならそのままの状態で売却できる 場合がほとんどです。

 

片付けの手間や費用を減らしながら、スムーズに売却したい人に向いています。

 

周囲に知られずに売却したい場合

買取はプライバシーを重視したい人にも適した方法です。

 

仲介の場合は、
・ポータルサイトへの掲載
・チラシ配布
・内覧対応
など、どうしても売却活動が外に見える形になります。

 

一方の買取は、販売情報が外部に公開されないため、周囲に知られることなく売却を進めたい方にも選ばれています。

 

マンション買取のデメリット

ここからは、不動産会社が行う買取サービスを利用する際に、知っておきたいデメリットを説明します。
メリットだけで判断するのではなく、注意点も理解しておくことで、後悔のない売却につながります。

 

販売価格が仲介より低くなる傾向がある

不動産会社による買取サービスを利用する場合、買取価格は仲介で一般の買主に販売した場合の7〜8割程度になることが多いといわれています。

 

これは、不動産会社が購入後にリフォームや再販を行うための費用、販売リスク、持ち出し資金、借入の利息、各種税金などを考慮して査定するためです。

 

スピーディーに確実な売却ができるという大きなメリットがある一方で、仲介よりも売却金額が低くなってしまう点は、買取の代表的なデメリットといえます。

 

全てのマンションが買取対象になるわけではない

買取サービスは便利な方法ではありますが、すべてのマンションが買取の対象になるわけではありません。

 

不動産会社によって、取り扱うエリアや得意とする物件の条件が異なるため、
・エリアが対象外
・築年数・規模・構造が条件に合わない
・物件の状態により再販が難しい
などの理由で、買取対象外になるケースもあります。

 

そのため、買取を検討する際には、複数の不動産会社に相談し、自分の物件が買取対象となるかどうかを確認しておくことが大切です。

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マンション買取業者選びのポイント

ここからは、マンションの買取を検討する際に意識しておきたい、業者選びのポイントをご紹介します。
安心して売却を進めるためには、「どの会社に任せるか」が大切な要素になります。

 

買取実績が豊富な会社

買取サービスを提供する会社は数多くありますが、その中でも「マンションの買取実績が豊富な会社」を選ぶことが最優先のポイントです。

 

買取経験が少ない会社の場合、
・適切な査定ができず、不当に安く見積もられる
・買取後の手続きでトラブルが起きやすい
・対応が画一的で、柔軟性に欠ける
・資金力がなく、結局買取ができない
など、思わぬ問題につながる可能性があります。

 

その点、実績と経験が豊富な会社であれば、物件の価値を適切に見極め、スムーズな手続きにつながりやすくなります。

 

買取に伴うサービスが充実している会社

買取サービスを行う会社の中には、単にマンションを買い取るだけでなく、売主の負担を減らすための付帯サービスを提供している会社もあります。

 

たとえば、
・不用品の処分をサポート
・残置物があってもそのまま引き取ってくれる
・買取後の物件を賃貸として利用できる「リースバック」
・仲介と買取を組み合わせた「買取保証」
など、状況に応じて頼れるサービスが充実している会社があります。

 

特に「買取保証」は、一定期間仲介で売却活動を行い、それでも売れなかった場合に不動産会社が買い取ってくれる仕組みです。

 

売却期限が決まっている方や、仲介の高値売却にもチャレンジしたい方にとって、安心につながる選択肢となります。

 

柔軟な対応ができる会社を選ぶ

不動産の売却では、思わぬタイミングで相談したいことや困りごとが発生するものです。

 

・引き渡しのタイミングを調整したい
・不用品の処分を手伝ってほしい
・手続きで不安な点がある
など、状況に合わせて柔軟に対応してもらえる会社だと、売却のプロセスをより安心して進められます。

 

売却相談の段階から、
「こちらの話を丁寧に聞いてくれるか」
「質問に誠実に答えてくれるか」
という視点で担当者をチェックするとよいでしょう。

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▶︎マンション売却時の不動産会社を選ぶ3つのポイントを徹底解説!

 

まとめ

マンション買取のデメリットについて解説してきました。

 

確かに、買取は仲介に比べて売却価格が低くなりやすいですが、
・スピーディーに売却できる
・一般の買主には敬遠されがちな物件でも売却できる可能性がある
・残置物の片付けなどの手間を減らせる
・周囲に知られずに売却できる
といった、状況によっては大きな助けになるメリットも多くあります。

 

どの売却方法が合っているかは、物件の状態だけでなく、売主の状況や希望によって大きく変わるものです。

 

本記事の内容が、マンションの買取サービスを検討する際に、少しでも参考となれば幸いです。

記事監修
吉崎 誠二

社団法人住宅・不動産総合研究所 理事長

不動産・住宅分野におけるデータ分析、市場予測、企業向けコンサルテーション、CREコンサルティングなどを行うかたわら、同分野の連載を月15本、テレビ、ラジオのレギュラー番組への出演  多数。
また全国新聞社をはじめ主要メディアでの招聘講演を毎年多数。

 

HP
https://www.yoshizakiseiji.com/

 

著書
間違いだらけの住まい選び
「不動産サイクル理論」で読み解く 不動産投資のプロフェッショナル戦術
データで読み解く賃貸住宅経営の極意
大激変 2020年の住宅・不動産市場
「消費マンション」を買う人 「資産マンション」を選べる人
など全12冊、他連載多数

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